友達と恩人の紹介

chouchouのカリスマ美容師近江さんとは長い付き合いで、高校に入って1番最初に友達なったのが近江さんでした。

忘れもしない高二の夏、好きな女の子に告白する直前に近江さんに髪を切ってもらいました。

近江さん家の小屋で元美容師だと言う近江さんのお母さんの指導の下、近江さんが初めて他人の髪にハサミを入れたのはきっと僕で、短めのパンキッシュなツンツンヘアーにしてもらって、告白には気合が必要だからと、なんでか青くカラーまで入れてもらいました。

「これで絶対バッチリだから!」と背中を押され、僕は2人の熱い応援に後押しされて、颯爽と自転車にまたがりました。

気分はまさにパンクロック?いやいやイージーライダーだったのかも?、とにかくお気に入りのクリスチャンディオールのレニークラビッツモデルの大きなレンズのサングラスを装着したまま、僕の甘酸っぱい恋は見事砕け散ったのでした。

もしもあの日、僕の髪が青くなんかなかったらあの恋はどうだったんだろう?ブルーな髪でハートまでブルーになっちゃって、あれは本当に正解だったんでしょうか?

もしも「美容室」を探している人がいたら、「恋」にお困りの方がいたら、どうか一度は近江さんのところに相談に行ってみてください。

澁谷デザイン事務所の澁谷くんはゴマシオが開店して半年経ったくらいの春に、「個展のフライヤーを置かせて頂けますか?」と突然現れた危ない人でした。

こんなお洒落な喫茶店にどうしたものか御辺土参りに行くような竹笠を被ってやって来て、見るからに「これはヤベー奴が来たなー」と肝を冷やした想い出があります。(見るからにヤベー奴は僕が接客担当です)

色々と話を聞けば、実家のお父さんが亡くなった事をきっかけにデザイナーとして活動していた「憧れの東京」を捨てて、この「クソダサい秋田」に戻って来たらしく、この町でデザインで食べていくためにどうしたら良いのか悩みつつ、毎日実家でおばあちゃんと「笑っていいとも!」を見ながら昼ごはんを食べて不安になる時があると言う、初対面で聞かされるにはあまりにヘビーな話をタップリ聞かされて、でも第一印象はサイテーだったにも関わらず、話して見ると嫌な感じがしないと言うか、よく笑って良いなーなんて思う始末で、なんとなく気が合いそうな感覚があったのでアイスコーヒーをご馳走しました。

あの日何でかうっかりアイスコーヒーを奢ってしまった想い出が何かの始まりで、それから1週間後かな?、珍しく自分から「ウチに飲み来ない?」なんて誘ってしまった想い出が何かの始まりです。

この街にゴマシオキッチンと澁谷デザイン事務所がある事が、1つ奇跡の始まりだった気がします。

大人になった今でも交流があるたった1人の幼馴染がキヨちゃんです。

キヨちゃんは佐々木建設の三代目としてゴマシオを作る時の工事を一緒にやってくれた話の分かる設計士さんで、我々のような「ズブの素人」の無理やりな要望を親身に聞いてくれた根っからの良い人です。

どのくらい良い人かと言うと、高校生の時に寝ているキヨちゃんの耳に焼き鳥を突っ込んで放置した事があるんだけど、それでも僕も怒らなかったくらい本物の良い人です。

まだこの街に「こういうカフェ」や「こういう喫茶店」が1つもなかった頃に、僕らのイメージだけで改装工事を引き受けてくれた信頼の実績もありますからね、予算が少なくてもやり方を色々と提案してくれたり相談に乗ってくれるので、「ゴマシオみたいな雰囲気に憧れちゃう」って人は「ゴマシオさんの紹介で連絡しました!」とお問い合わせしてみてくださいね。運が良ければ紹介料として僕が5万円くらいもらえるかもなので。

新築、リフォーム、ドンとこいです。

ちなみに中学の野球部ではキヨちゃんがキャプテンでオレが副キャプテン、打順もキヨちゃんが4番でオレが5番で、巨人軍もビックリの恐怖のクリーンアップでした!

どこで修行をした訳でもない僕が勝手に師匠だと思っているのが石田珈琲店のマサシさんで、ゴマシオで使っているコーヒー豆は、石田珈琲店の豆でゴマシオオリジナルブレンドを焙煎して頂き使用しています。

「喫茶店をやりたいので豆を卸して頂けませんか?」、「お客さんがたくさん来てくれるかまだ分からないので少しの量からでも大丈夫ですか?」、「甘くて苦い、僕らだけのオリジナルブレンドを作って頂けませんか?」、11年前の僕がそんな相談をした時にバカにしなかったのが、人の夢を笑わなかったのは、マサシさんだけでした。

マサシさんに会うまでにたくさんの「業界関係者」から散々反対されてて、「ちゃんと考えた方がいいよ!」とか、「そのやり方だと食べていくのは難しいよ!」とか、そりゃあもう正論の雨あられで、でもマサシさんだけは何でか背中を押してくれて、それがどれだけ支えになったか、あの恩を僕は忘れません。

「自分が美味しいと思うように淹れたらいいんだよ」、コーヒーの美味しい淹れ方を教えてくださいって僕にマサシさんが教えてくれたあの一言が、僕のコーヒーに対するたった1つのこだわりです。



グンバツなセンスと癖しかないイラストでとにかく凄い人気、ゴマシオで使っているカップ&ソーサやケーキ皿等の製作者が石川飴子さんです。

元を辿れば「たまに来てくれるくらいのただのお客さん」だったのを、何の因果か様々な事に巻き込んでしまい、その都度大変な思いをさせては、でも全然嫌な顔1つ見せる事なく僕らを丸ごと愛してくれた、今では妹のような存在です。

10年連続でゴマシオベストカップル賞を受賞し続けた恋人とのデートに長い間ゴマシオを愛用してくれていて、週2〜週4をルーティンに(多すぎるよね)、良い時も悪い時も通い詰めてくれた常連中の常連さんです。

お客さんが少なかったゴマシオ暗黒期も献身的に支えてもらったゴマシオ七福神の1人なのですが(顔的に毘沙門天かな?)、いつまでも「ちょうど良い関係」と言うか、僕の喫茶店の思い出の中でいつもいつまでも「ただのお客さん」でいようとしてくれているのがなんか嬉しいです。

従業員を雇うだけに稼ぎがない僕らのために、時折こーちゃんの代わりにピンチヒッターとして働く事もありますが、二人の顔が似ていることから意外と気づかれず影武者としての才能も開花中。

結婚式にウエディングドレスとタキシードをプレゼントしちゃったくらい好きです。


ハイコーフェスと言えばゴマシオキッチン、ゴマシオキッチンと言えばハイコーフェス 、 どちらが欠けてもこうはならなかっただろうし、まさに二人三脚で突っ走ってきた君と僕のロックンロールがハイコーフェスでした。

残念ながらハイコーフェスは2019年9回目の開催を最後に幕を閉じました。

「青春」って若さの事では決してなくて、胸が熱くなればいつだってみんな14歳に戻れて、ハイコーフェスが皆さんにお届けした「ロック」みたいなモノは、あれはきっと音楽じゃなくても良かったモノでは決してなくて、どうしてもロックンロールじゃなきゃ伝えきれなかったモノで、良かったか悪かったかは別としてハイコーフェスがこれからもずっと「君と僕の夏の最後の一日」だった気がします。

さようなら、さようなら、さようならなんだね、ロックンロール、ロックが死んでしまったならば、それはロックの勝手じゃないか。