イノダって言うコーヒー屋

京都は三条堺町

高田渡さんが惜しげなく通った(晩年はそうでもなかったようですが)

「イノダコーヒ」

「あの子に会いに」と歌い

「大好きなコーヒーをすこしばかり」と歌い

「そう、最後の1敵が勝負さ」と歌い

「ねえ、熱いのお願い」と歌っています

同じく京都には

オクノ修さんの六曜社もあって

僕にとっても京都は

京都=歴史の街と言うより

京都=コーヒーの街と言う感じです


まだ冬の入りの頃

夕方1人の女の子がやってきました

あいにく満席で席につけず

「でも京都から来たので、せっかくなので待っています」と

「京都からすごいねー」と話しながら

10分か20分ひょっとしたら30分くらい

近くで時間を潰してもらって

もう1度やってきた彼女

散々待たされてウンザリしているかなと

ちょっとビクビクしながら顔を覗いて見ると

本当に「良い顔」で席についていて

店内を見回すちょっとした仕草や

本棚をじっくり物色している姿にすら品がありました


「旅の思い出の喫茶店」なんてすごくカッコいいから

知らない土地で入る初めての喫茶店なんてちょっと良いなーと

その土地を思い出す時に

ほんの少しでも僕らのことを思い出してもらいたいなーと

「おいでやす」なんて軽いジョークを言って

「旅のお供に」とハサミとお菓子をすこし渡して

「くるりが好きだから」とジンジャーエールを注文した彼女

くるりが歌う「京都の大学生」に出てくる女の子は

いつ別れを切り出そうかタバコで占っていましたが(この感じ分かる?)

彼女がどうしてここまで来て

彼女がどうして旅に出たのか

誰を思ってどんな気持ちなんだろうかと余計な心配までして

数日後

京都は三条堺町

イノダコーヒから届いた大きな包みには

コーヒー豆とケーキが溢れんばかりに

差出人は彼女

京都の大学生は本物のお嬢様

どおりで品があるはずだよ

gomashio-kitchen(ゴマシオキッチン)

君と僕の喫茶店

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