30年後の喫茶店について書くね
僕はとにかく喫茶店が好きです
ちょっと時間があればどこか喫茶店に入りたいし
知らない町に行けば何より優先して喫茶店を探して
ちょっと「品」を残しつつも程よく「小汚い」
マスターは髭があって肩掛けエプロン
メニューの中には「ハロハロ」とか「キャンディー」とか
ちょっとなんだか分からない飲み物もあって
ジャムとマーガリンの厚切の
安っぽいトーストがあるお店なら最高です
昨今の「古カフェブーム」や「レトロな喫茶店ブーム」の
「肩の力が抜けたような」とか「ゆるい」とか
そう言うのとは一線を画する
一種の「あきらめ」と言うか
その人の生活や人生が漂っている喫茶店に入ると
背中の辺りがゾワゾワします
「この人にはコレしかできなかったんだろうなー」と
「喫茶店しかなかったんだなー」と
そんな事を勝手に想像して飲むコーヒーは
甘いより苦いがぜんぜん勝っていて
「コーヒーなんか苦けりゃいい!」なんて思っている僕には
これがちょうど良い味だったりします
開業30年なんて言う駅の近くでやっている喫茶店には
今日もスナックのママさん風の女性たちが
カウンターに腰掛けながら
みんな好き勝手なことを言ってゆっくりタバコを吹かしていました
背中越しにその会話を聞きながら
時折、僕にまでに投げかけられる会話に少し戸惑いながら
愛想笑いと当たり障りのない受け答えをしました
全員が全員、入ってくる度に「カレー」を注文して
100円でトッピングしてくれる卵には
みんなそれぞれ相当なこだわりがあるのか
「半熟は嫌だ」とか「両面焼きのカチカチにして」とか
後ろから覗くその背中は
全員が全員、この店の歴史を背負っているようで
どちらが育ててどちらが育てられたのか分かりませんが
ちゃんと「顔」を見てコーヒーを出そうと思っていた僕は
たまには「背中」を見てコーヒーを出そうと思いました
ゴマシオに来てくれるお客さんは半分以上が女性のお客さんで
「女の子」もいれば「御姉様方」もいらっしゃいます
世間一般的に男性客が多いのが喫茶店で
女性客が多いのをカフェと住み分けする風習がありますが
そうなるとゴマシオは圧倒的にカフェなんだけど
さて30年後どっちに転んでいるのでしょう?
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