ふたりの距離を思い出してみる
父親に紹介するみたいに
いつも来てくれるまだ年の若い常連さんが
彼氏や彼女を連れて来てくれると嬉しくなります
「この子がボクの彼女です」なんて
お互いに恥ずかしくって
声に出して言う訳ではないけれど
「こんにちは」とか「どーも」みたいな
簡単なあいさつをしながら
少しづつ会話をするようになって
いつの日からか1人でもお店に来るようになってくれて
その内に彼氏の悪口なんかも聞けるようになると
「あー、いよいよ気に行ってもらえたんだなー」と
父親のようにちょっとだけ
嬉しくてたまらない気分になります
いつか時間が流れて
この子とその子がもしも離れて
その内に1人の方が来なくなって
その内にもう1人も来なくなっても
ここで見たふたりの景色を僕は忘れない
これだから僕は喫茶店をやめられない
0コメント