古本みたいなやつ
そのお客さんは決まって指定席に座り
メニューを見ることなく夏は冷たいコーヒーを
それ以外の季節には温かいコーヒーを1杯頼みます
飲み物は決まって「熱いうち」「冷たいうち」に飲み干し
それからタバコを4~5本分の間
持参した古い本を静かに読んでいます
店に入ってからそこまでが
一連の流れのようなものだから
そのお客さんが入って来たと同時に
ヤカンを火にかけ
コーヒー豆をミルにかけるのだけど
時折カウンターみたいに
「サイダーを下さい」と注文されるので
「やられたなー」って感じに
自分のためにコーヒーを淹れています
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